2011年2月8日 of GAIPRO.NEWS

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デジタル一眼ムービーが標準の時代へ。

2011.2.8

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 すっかり業界で根付いた「一眼ムービー」という呼び名。さきがけとなったEOSムービーも現在では大小問わず多くの現場で使用されている。しかもCMの現場でも35mシネカメラを横目に普通に使われ始めた。まさに撮影業務のビックバンとも言えるこの「一眼ムービー」だが、弊社では早くから着目し、積極的に現場で使用してきた。使用当初はお客さんに不可解に思われたときもあった。三脚の上に乗っかっているのがビデオカメラではなく、スチールカメラだったからだ。しかし、撮影した画質を見せた途端に納得と驚きの表情を浮かべたものである。背景を大胆にボカしたリッチな映像は、それまでのビデオの映像とは別世界。また食品や化粧品などシズル、質感を重視した映像を撮影したい場合もCMクオリティーで撮影できる。現在では、このように一眼レフで映像を撮影することを「DSLR」などと呼んでいる。まさに今、DSLR全盛期。
 弊社には、映像撮影用に現在3台の一眼レフカメラがある。今回は各々のカメラの特徴を弊社の業務視点からレポートしてみたいと思う。


一眼ムービーの火付け役、EOS 5D Mark II

EOS 5D Mark II録画時のHDMI出力がフルでないのは惜しい

いわずとしれた「一眼ムービー」の火付け役のカメラだ。発売当初はフルオートで業務での利用はかなり限定されたが、メーカーの企業努力でファームウェアアップデートにてフルマニュアルが可能になった。これで一気に一眼ムービーに火がついた。フルサイズのCMOSを搭載し、通常の映画撮影で使用されるセンサーサイズ(スーパー35mm)よりも大きい。その恩恵でアイリスを解放で撮影すると、背景が尋常でないくらいボケて、まるで別世界だ。例えば現場で撮影する際、背景がイマイチな時や映り込みたくないものが多数あった場合でも、背景を簡単にボカして撮影することもできる。キャッチライトを逆光で入れると、それだけでリッチな映像になる。質感は映画寄りでビデオの映像ではない。弊社における企業ビデオでの用途としては、イメージ映像などでの利用が考えられる。また単なるインタビュー撮影を印象的にしたい場合も有効だ。難点は録画中にHDMI出力がフルハイビジョンでなくなること。また弊社的にはフレームレートが24pか30pしかないこと。あと、あえていうならセンサーが大きすぎるがゆえにボケすぎることか(笑)あまり移動しないものをしっかり撮ることには向いているが、ドキュメント的に動的なものを追いかける用途ではピント部分で使うのは困難だ。


実際の業務では本命、動画機能が強化されたEOS 7D

EOS 7D動画では本命がゆえに、今後のファームに期待

基本的にはEOS 5D MarkⅡの動画機能を踏襲しているが、業務ビデオカメラの視点から見た大きな変更点が、720 60pが追加されたこと、また録画中のHDMI出力がフルハイビジョンであることだ。センサーサイズはAPS-Cサイズと、フルサイズほどの大きさではないが、映画用カメラとほぼ同じ大きさのイメージャーで、業務としては本命のような気がする。弊社でEOSムービーを起用する場合、特別な理由が無い限り撮影はEOS 7Dで行なっている。EOS 5D MarkⅡで撮影している時は、HDMIでモニターアウトしていると録画のたびにアスペクト比が変わってしまい困っていたが、7Dはスムーズに録画が始まる。一つ不満をもらすとしたら、EOS 5D MarkⅡのファームアップで対応した音のレベル調整が出来ないことだ。ただ、音は別で収録することが多いため、それほどデメリットではない。


利用価値が高いセカンドカメラ、Panasonic GH2

IMG_0013.JPGマイクロフォーサーズのGH2
EOSに搭載された動画機能はすべてプログレッシブで、mov形式で収録されるが、GH2は業務ビデオカメラに準拠したAVCHDで収録される。フルハイビジョンの場合、映像はインターレースである。このことにより、例えばHDVカメラで1080iで撮影した素材と合わせるときは力を発揮する。従来、放送用の映像規格はインターレースだった。現在の業務ではインターレースでの作業も少なくなく、現在も半分以上がインターレースでの映像の納品になっている。特にDVCPRO HDやHDVの1080iで撮影することが多いが、ビデオの映像となると、やはり深度が深くモノたりない映像になってしまう場合がある。そんな時GH2をセカンドカメラで持参し、ここぞという時にGH2で深度の浅い(背景がボケる)画作りをする。ただセンサーサイズがフォーサーズ規格のため、EOSほどのボケを期待すると拍子抜けする。編集時はFinalCutProでProRes422LTなどで取り込めば、HDVのタイムラインにすんなり並べられる(リアルタイム変換を表す緑が出ることはない)また、本体が非常に小型のためビデオカメラのカメラバックに一緒に入れて持っていくことも可能。


Z5JとGH2HDVカメラのサブカメとして最適のGH2筆者は先日、九州でのロケがあり、機材をコンパクトにまとめて飛行機で現地に向かったが、その際にSONY Z5Jのカメラと一緒にGH2を持参した。時間の無い中ある程度のカット数をおさえなければならず、メインはZ5Jで撮影を進めていったが、その中で数カット印象的な映像を撮影したいと思いGH2に40mmF1.7を付けて撮影した。結果として背景がボケたリッチな映像を撮影することができた。今後のHDVの撮影の際にはセカンドカメラとして手放せなくなりそうだ。Panasonicが作っているだけあって機能はほぼビデオカメラであることも特筆すべきところ。EOSとの最大の違いは動画のオートフォーカスが効くこと、HDMI出力時に本体のモニターがブラックアウトしないこと、それとインターレースで撮影できることだろうか。特にGH2のオートフォーカスはなかなか優秀で(レンズによる)、これが購入の決めてとなった。顔認識フォーカスはなかなか使える。(ただ、過度の期待はしないように。)唯一の不満は1080 30pも付けてほしかったことだ。WEB用にプログレッシブで撮影することもある。今後のファームでの対応を期待したい。


一眼ムービーでの撮影で欠かせないモニタ

GH2とモニタGH2は本体とモニタ両方に表示可能使用当時は三脚にプレートを横向きに設置、左にカメラ、右にモニタを取り付けて使用した。このスタイルは現在でも変わっていない。一眼レフでの映像撮影にモニタは必須だ。最初はマンハッタンLCDというアメリカのメーカーのモニタを使用したのだが、野外での撮影にかなり難があったため、SONY LMD-940を起用した。このモニタは映像の波形が表示できるため、露出などを見るときにとても便利である。ただ重量があるため、プレートでカメラと一緒に三脚にのせると、かなりの重さになり移動が困難だ。そこでよいモニターはないだろうかと物色していたところ、マーシャル製の7インチモニタに行き当たった。視野角や明るさはLMD-940に比べても遜色なく、野外での使用もそんなに見づらくない。HDMIを備えており、そして軽い。まさにDSLRには理想のモニタであった。そして最近SONYから同じような7インチのモニタLPM-770BPが発表され、マーシャルのモニタには無かったスピーカーと音声モニターアウトが付いたので速攻で購入した。まだ少ししか使用していないが、視野角、明るさともに、マーシャルと同等だろうか?ただピーキング機能はなかなか使えるかもしれない(実際、筆者はあまり使わないが)。

周辺機器含めた技術ノウハウ無くして一眼ムービー操れず

モニター左がマーシャル製、右がSONYLPM-770BPデジタル一眼レフで気楽に映像が撮れるようになったとて、やはりそこにきちんとした知識とノウハウがなければ業務ではなかなか使えない。逆を言えば検証や試行錯誤を繰り返し積極的に現場で使用していけば、最小で最大の撮影を提供できるのが一眼ムービーだと思っている。従来のビデオカメラの現場で慣れてしまっている我々にとって、一眼レフでの撮影は、やっかいそのものであろう。要は用途かと思う。案件ごとに、どんな機材でどのように撮影するかを考えて使用すれば、一眼ムービーは大きな戦力になる。弊社では、これからも一眼ムービーに力を入れてコストパフォーマンスの高い良質な映像を提供していきたいと思っている。



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