2011年6月21日 of GAIPRO.NEWS

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半自作のUSB電子プロンプター

2011.6.21

MPL-S1 先日のレビューで軽く触れたが、弊社にはMPL-S1という簡易的なプロンプターがある。簡易的というのは電子プロンプターに比べてということで、実際使用した印象は立派なプロンプターである。そのユニークな方式はとてもシンプル。カメラのレンズ前に設置したMPL-S1の原稿台にA4にプリントアウトしたカンペを乗せるだけ。透過式で紙の上から光を当てると、その文字がレンズ前に投影されるというもの。弊社でもカメラ目線のコメント撮影の現場でとても重宝してきた。しかし持ち運びが楽で気軽に使用できる利点の裏で、難点もいくつかある。まず、電子式にくらべて文字が若干見ずらいという点。また、原稿をプリントアウトしなければならないので、長いコメントの場合は何枚かの紙にわけてプリントし、テープでつなげて原稿台上でスライドさせたりする必要がある。手間のかかる上、本番中に紙をスライドする音が原因でNGになる恐れもある。コメントの長さによっては、どこかで撮影を区切って数回に分けて撮影し、後で編集時に繋げる必要も出てくる。そんなこんなで、以前から筆者の頭の中でなんとなくイメージしていた事があり、最近それを実践したら思いのほかウマくいったので紹介したいと思う。それは身近な機器を使ってMPL-S1を電子プロンプターに大変身させる方法である。


PCのUSBサブモニターをフル活用

LCD-8000UUSBモニタの火付け役、LCD-8000U最近市場に多く出回っているUSBモニター。ケーブルをつなげばバスパワーで駆動し手軽にマルチモニタ環境を手に入れられる。特にデスクトップの狭いノートブックには何かと便利だ。筆者は以前、MacBookProのサブモニターとして秋葉館でLCD-8000Uを購入したが、最近めっきり出番が無くなりタンスの奥に眠っていた。小型の8inch、プラスチック製でとても軽い。そうだ、このUSBモニタを原稿がわりにMPL-S1の原稿台に乗せたら電子プロンプターっぽくなるのでは、というのは事の発端。さっそく試してみる。まずパワーポイントなどでカンペを作る。USBモニターをMacBookAirにつなぎ、ミラーリングする。USBモニタを画面を下にして原稿大に乗せる。LCD-8000U紙のかわりにUSBモニタを原稿台に置くPPTのスライドショーを開始。おお、見事にPPTのカンペがレンズ前に映った。しかもかなり視認性がアップ。透過したプリント原稿より断然見やすい。しかしレンズ前の画像はミラーに反射したものなので当然のごとく画像が反転する。そこでパワーポイントやワードで文字を反転する機能をさぐってみたが、可能ではあるものの、常に文字を変更することを前提とすると結構面倒。次にフリーソフトでプロンプターにまつわるソフトを検索する。文字反転機能などが備わったプロンプターフリーソフトはいくつかあったものの、筆者が探した限りは日本語対応のものは無く、この壮大なプロジェクト(笑)は若干いきずまりを見せる。(iPadやiPhoneのAppStoreではいくつかプロンプターのソフトはある、こちらは下記で言及)


カンペはPhotoshopで作る。

PhotoshopPhotoshopの反転機能で解決
いろいろ試行錯誤した結果、カンペはAdobe Photoshopで作るのがベストだと分かる。まずLCD-8000Uの解像度は800x600。そこで、横書きを前提とした場合、Photoshopで横720、縦はとりあえず2000くらいの大きさでカンバスを作る。そこにテキストツールでカンバスの隅から隅にドラッグしてカンバスと同じ大きさのテキストボックスを作る。そこにワードなどであらかじめタイプしておいたテキスト書類をコピー&ペーストし文字を流し込む。視認性を考えて背景は黒、文字は白、テキストの大きさを72ptとし、なるべく太めのフォントを選ぶ。最後にカンバス自体を左右反転する。文字を修正したい場合は再度反転すればいい。さて、LCD-8000Uを繋げてさっそくミラーリング。Mac側も800x600になってしまうので、Mac側の画面は横に伸びた感じにはなってしまうが、あくまで操作できればいいので問題ない。LCD-8000Uではしっかり反転したカンペが映っている。視認性を上げるために、余分なウインドウはtabキーでしまっておく。これで画面にはカンバスのみ表示される。この状態でLCD-8000UをMPL-S1の原稿台に乗せてみる。LCD-8000U視認性はバツグンおおっ、正像の文字が映った。しかもPtotoshopのカンバスを下にスクロールしていけば文字もスクロール。MacBookAirならトラックパットを2本指でなぞってスマートにスクロールできる。これはバツグンの操作性だ!対象者の話すスピードで任意に調整しながら文字をスクロールしやすい。LCD-8000Uは8インチ、プロンプターのA4の原稿台の上に置くと一回り小さいが、実はこれがちょうどいい。あまり広い範囲で文字が表示されると対象者の目が、あからさまに泳ぐので、紙の場合もひとまわり小さめの範囲に原稿をまとめるようにしていた。なのでこれくらいの画角がベストサイズだ。視認性も思いのほかバツグンで、もうすこし文字を小さくしても大丈夫そうだ。こうして、ひとまず電子化の簡易的なセッティングは大成功に終わった。(Photoshopに限らず、Photoshop Elementsや、反転機能のある画像ソフトであれば基本的には同じことが出来ると思う。)。

追記 その後
現在、TelePrompterというソフトがあり、弊社はそのソフトと組み合わせて運用中です。外部(セカンド)モニター出力機能、フリップ(反転)機能がありセカンドモニターで運用する際はとても便利です。もちろん、再生、スピード調整等の操作も充実しています。


電子プロンプター化の最後の仕上げ

クランプ100円shopで売っていた小型クランプひととおりシステムが組み上がったところで(システムというほどのものではないが)、いくつかの問題点を解消してく。まずMPL-S1の原稿台は折りたたみ式で、紙を乗せるのを想定して作られているので重さには耐えられない。そこで筆者は応急的に100円ショップで売っている小さめのクランプを2つ、ストッパーとして原稿台とミラーの間にかます。ここはもう少しスマートなD.I.Yをしたいところ。とりあえずはこれでUSBモニターの重さに耐えられるようになった。あとはUSBの延長だ。PCでのコントロールは離れた場所も想定して長めのUSBを用意したいところ。普通のUSBケーブルは長さによっては電源が不安定になりモニターが映らなくなる可能性がある。そこで、これもタンスの奥に一度も使わないで眠っていたUSBリピーターケーブル(5m)を使用してみた。USBリピーターケーブルUSBリピーターケーブル難なくミラーリング成功。PCはMacBookAirを使用することで、最小限のシステムが出来上がった。もちろん、USBがあるネットブックなどでも可能だと思う。これで立派な電子プロンプターの完成だ。いままで通り気楽に紙でも可能だし、紙のかわりにUSBモニターを置けば、PCでのカンペの操作も可能になる。状況に応じて使い分け、まさにハイブリッドプロンプター。今回はUSBモニターの活用を書いたが、実はiPadやiPhoneにはプロンプターソフトが多数ある。原稿の自動スクロールや反転機能、iPhoneでWI-FI経由でのリモート操作など、かなり高機能なものもある。試してはいないが、iPadを持っているのであれば同じような方法で原稿台に乗せても手軽に電子プロンプターが出来上がると思う。筆者は普段仕事ではiPadは使っていないが、自宅で妻のネットブック化しているiPadが一台あるので、今度プロンプターアプリをインストールして試してみたいと思う。



プロンプター正面から見るとこんな感じさて、この簡易的なUSBモニターを使ったプロンプター、自由度は高い。LCD-8000Uはディスプレイ設定で、縦型にもできるので、それに対応したサイズのカンペをphotoshopで作れば、縦方向に長い文字の投射も出来る。(縦型の場合は、横が600以下のカンバス)もちろんphotoshop上で縦書きにして、横スクロールすることも出来る。しかしながら、実はまだ現場でこれを使用したことがない。今後のコメント撮影ではきっと重宝することと思う。MPL-S1を持っている方がいたら、是非電子プロンプター化を試みていただきたい。ただ、ここまで実験して書いておいてなんだが、実は最近iPadなどを利用した安価なプロンプターが発売されている。前回のInterBEEで発表があり若干話題になっていた。新規でプロンプターを購入するのであれば、こういったものを購入するのもいいと思う。ただMPL-S1は紙が使えるというのは大きな利点。状況に応じて、紙、電子、と使い分けられるのが今回の試みの最大の利点かと思う。


プロンプター



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