2012年1月12日 of GAIPRO.NEWS

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フレア効果で行う映像メイクアップ術

2012.1.12

 新年おめでとうございます。このニュースも始めてから1年あまり経ちました。最近は比較的撮影機材ネタが多かったので、今年1発目は映像編集のネタをやってみたいと思います。
 さて、モーショングラフィックスでは「光物」として定番のレンズフレア。とりあえずタイトルの背景などに入れておけばそれなりに見えてしまう、お手軽でもっとも使える効果の一つですが、むやみやたらに使うと怪我しそうな効果でもあります。しかしながら、レンズフレアはもともとカメラレンズに光源からの光がフレアとなって現れてしまうものをシュミレートした効果です。モーショングラフィックスやタイトル制作、背景ビジュアルなどの用途ばかりが露出してきていますが、実は実写にこそ、このレンズフレアは効果的に使えるエフェクトだと思っています。今回は特にライティングに凝れなかった残念な映像たちを、レンズフレア効果を使ってメイクアップする実践例をご紹介してみたいと思います。まずは下記の比較映像をご覧ください。



リーズナブルで高品質なOptical Flares

Optical FlaresVideoCopilot Optical Flaresレンズフレア効果は以前からPhotoshopの効果として存在していました。グラフィック業界ではフレア効果はデザインの一部として使われるようになり次第にAfterEffectsなどモーショングラフィックス系映像の要素の一つとして定着していきました。しかし標準のレンズフレア効果は「いかにも」的なものが多く今一歩でした。のちにサードパーティのKnollから高品質なレンズフレアプラグインが発売され、AfterEffects定番のフレア効果となりました。しかし当時は値段が高価だったこともあり一般ユーザーからすると若干敷居が高いエフェクトだったかもしれません。(現在は安くなりました)そこで登場したのがVideoCopilot社のOptical Flaresです。筆者も愛用していますが、値段のわりに高品質で使い易く、かなり敷居が低いレンズフレアプラグインかと思います。AfterEffectsやAppleMotionを業務で使用している方であれば必須のプラグインと勝手に思っています。今回のサンプル映像もOptical Flaresを使用しています。
Optical Flaresは標準でプリセットがありますが、筆者はPro Flares Bundle版をおすすめします。そのままでもかなり使える「センスの良い」フレアが揃っておりイメージが膨らみ易いです。もちろん細かくパラメーターで調節して独自のフレアを開発することも可能です。


メイクアップは光源を意識する。

画面窓から差し込む光など、演出的な光源を考えるプラグインを購入して、ただフレアをかけるだけでは意味がありません。そもそもフレアが入るためには必ず光源が必要です。その光源を意識して作っていかないと、かなりセンスの悪い映像になってしまいます。撮影した素材を見た上で、どこに光源を持って来たら効果的かを考えます。TVドラマなどで、意図的に強めの光を逆光で窓の外から照らしたりしますが、あれは映像を「印象的」に仕上げるためのライティング術です。つまりレンズフレアエフェクトも同じことが言えます。もっとも印象的になる場所を見極め、そこにライトを置く気分でレンズフレアの中心点を置きます。そしてさらに映像を再生させて、どういう風に光源が現れ、そして光源が消えていくかをイメージします。イメージが出来たらレンズフレアのパラメーターからロケーションや光の強さ、サイズなど時間軸で変化させてシュミレーショします。この作業は非常にデリケートで映像センスが問われる部分かもしれません。


ヒントは「もともと光源があった場所に追加」する

画面レンズやファインダーには元々光源が映り込んでいる。まったく光源がない部分に追加するよりかは、ハイライト部分や映像に実際に映っている光源の上に、追加としてレンズフレアをかけてあげるのがリスク無い追加方法です。サンプルの2つ目(像)と3つ目(カメラ)は、もともと光源が写り込んでいます。左斜めから当てているLEDライトの光源です。しかし光源の映り込みは所詮LEDの映り込みです。この部分にあわせてレンズフレア効果を追加させてあげることでかなり自然にメイクアップができます。ここではAfterEffectsなどの操作説明は割愛させていただきますが、場合によっては光源に沿ったモーションパスを作成して、そのパスをレンズフレアのロケーションキーフレームにペーストしてあげれば完璧な光源の動きをシュミレーションできます。サンプル映像の最後、カメラレンズ部分の光源は円形のパス上に動いていますので、このような場合は一度光源の動きに合わせたモーションパスを作ってあげたほうがよいでしょう。

 レンズフレア効果は使うのは簡単です。しかしながらセンスが出やすい効果でもあります。筆者としては、1)光源を意識した作り 2)光源の動きをイメージしてシュミレーションする というのがセンスという意味では重要なファクターかと思います。もちろん、どのようなレンズフレアを選ぶかも重要です。これは時と場合、もしくは好みも分かれるところでしょう。今回のサンプル映像は若干派手な効果を狙っています。コスメ系のVPにはよく見られる演出です。場合によってはウソすぎる演出かもしれません。もうすこしデリケートに効果をかけてあげれば一層リアリティーは増すと思います。いずれにしても試行錯誤していろいろ楽しんでみることが重要かと思います。

画面回転台の商品名は「AKIBA83」だそうな。★余談ですが、映像途中で像やカメラが回転していましたが、秋葉原に行くとそこら中で売ってる太陽電池で動く回転台を使ってます。物撮りでは結構重宝します(w

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