2013年6月7日 of GAIPRO.NEWS

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映像も無線で飛ばす時代!?激安無線伝送のススメ

2013.6.7

HDMI すっかりこちらのニュースも滞ってしまっていますが、今後は細々したネタも小まめにアップしていきたいと思っています。今回はそんなショートネタを。最近はBOLTやSKYWAVEなど、業務の現場でのHDMIやSDIの無線伝送が話題になっていますが、現在のところなかなか高価なものばかりです。実はAV機器など家電製品でも映像の無線伝送が進んでおり、こちらは安いもので2万円以下で発売されています。PCやその他映像機器のHDMIからの信号を無線でTVへ送れるものもで、転送距離が圧倒的に短いのと室内しか使えない制約はありますが、場面によってはこれを利用しない手はありません。今回はそんな激安HDMI無線機器を利用し、わたしたちの撮影の現場で快適なモニタリング環境を実現すべく、カメラの映像をモニターに無線で飛ばすことを試みました。

ロジテックLDE-WHDI202TR

LDE-WHDI202TR今回の工作セット。受信機・送信機ともに非常にコンパクト! 目を付けたのがロジテックから販売されているLDE-WHDI202TRです。注目すべきは各機器のコンパクトさ。送信機はほぼUSBメモリ程度。受信機もタバコケース2個分くらいです。さらに電源回りを見てみると、あらあら、USB電源!?これでDSLR派の方であればピンとくるかもしれません。そうです、例の5V電源です。この手の製品はPCからの外部出力をUSBバスパワーで駆動している事を想定しています。筆者がLDE-WHDI202TRに注目した理由はもう一つ、受信機のコンパクトさに加え、こちらもUSB電源だった事です。これでウマくいけば受信機、送信機ともにエネループ4本駆動にする事が出来て、これなら完全に撮影現場で電源フリーで使うことが出来ると思ったのです。伝送距離はメーカー公表値では7m程度となっていますが多方面のレポートを見る限り、見通しによっては10m以上も普通に使えているようです。ただしこの手の機器は日本では電波法により室内しか使えません。さすがにBOLTのような業務専用機みたいに野外で30mとかは飛ばせませんが、室内ロケでケーブルレスになるだけでもかなり助かると思います。


鬼門はUSB-miniB端子

USB100均で売っている充電用USB-miniBを利用できる。 さっそく会社のタンスに眠っていた電池ボックスを引っ張り出しバッテリー駆動化しようと思いましたが、問題はUSB-miniBへの電源供給です。運良く1個だけ使わなくなったDCアダプター→USB miniBがあったので、一つはそれを利用する事にしました。ケーブルを切断すると赤黒の馴染みのケーブルが中から出てきて、これを電池ボックスの赤黒と接続してUSB-miniB電源の機器で試してみましたが無事通電しました。そこで今度は100均ショップに走り充電系ケーブルを物色しましたが、最近はみんなマイクロUSB仕様でminiBがなかなかありません。あったとしてもUSB標準→miniBのDATA転送と充電兼用タイプのものです。でもまあ100円なので、ためしにそれを購入し会社でケーブルを切断してみたら、なんと単純。赤、黒、白、緑と4本のケーブルが出て来て、このうちの赤、黒を電池ボックスの赤黒と接続したら無事通電しました。これで電源回りは無事作れそうです。
 ちなみに、5V電源なら電池ではなく携帯充電用のバッテリーを利用してもいいでしょう。こちらですとUSB標準→USB miniBケーブルがあれば気軽にバッテリー駆動できると思います。ただバッテリーは電源が切れた時用に同じものを数個用意しておく必要があるので、筆者は気軽な電池交換式を選択した次第です。


電源はホットシュー利用で装着

ホットシューもう少しスマートに行きたいところだが、ホットシュー装着が一番気楽いくらエネループ駆動化したとて、カメラやモニター周りが電源でゴテゴテしてしまうのはウマくありません。例えばカメラのホットシューなどに気軽に取り付けられるくらいがいいです。そこで電池ボックスをホットシューに固定する機器をいろいろ物色してみましたが、自転車のハンドルにスマホを取り付ける機器を利用するのがよさげです。中には1/4ネジが切ってあるものもあるので、これに電池ボックスを挟めば気軽にカメラに取り付けられそうです。ここからケーブルを伸ばしカメラのHDMI端子に送信機を差し込みます。うーんグレイト!ぜんぜんかさばらないでイケました。これなら気軽にハンディーでも運用できそうです。受信側はどうかというと、弊社はモニターを専用のバッグに入れてディレクターに持ってもらう事が多いので、電池ボックスと受信機もろとも、そのバックに仕込んでしまえばOKです。もしくはマジックテープなどでモニターに貼付けてしまってもよいでしょう。この手の機器はこの受信機が大きいことが多く仕込みずらいのですが、ロジテックのLDE-WHDI202TRは受信機もコンパクトなところがポイントです。



ペアリングは初回だけ30秒程度。場所によっては20mもOK!?

LDE-WHDI202TRケーブルレス!!ケーブルさばきから開放されます。 さて、この装備で実際に無線伝送してみました。実は筆者が無線伝送を躊躇していた理由の一つに機器のペアリング時間があります。業務機等ではペアリングにかなりの時間を要するものが多く、しかも一端信号が切れてしまうと、再度ペアリング作業が発生してしまいます。おそらく空いている周波数等を検索しペアリングしているためですが、ロジテックのLDE-WHDI202TRは初回のみ20~30秒程度でペアリングが完了し、その後は、送信機側の電源が切れた場合は、再度電源を入れた時10秒程度で復帰します。ただし本体側の電源が切れると再度30秒程度の時間を要します。そんなに頻繁に電源を切らなければ十分許容の待ち時間です。

 実際の運用状況はというと、すばらしい、の一言です!受信機側の本体がコンパクトなため、電源含めモニターバックに十分に忍ばせることができますし、まさにコードフリーの環境が手に入りました。

LDE-WHDI202TRモニターバッグ背面に十分収納できる!LDE-WHDI202TRエネループで送信・受信ともしっかり駆動!LDE-WHDI202TRUSBメモリタイプなのでカメラ側のHDMIに刺すだけ



 さて、たまたまイベントホールでの撮影があり時間があったので、どのあたりまで映るのか検証してみました。そのホールはカメラの設置してあるプレス席から舞台袖までおおよそ20m程度でしたが、最大に離れても映像が途切れることはありませんでした。公表値では7mという事でしたので、これは驚きです!これならリターン用途にも十分使えるのではないでしょうか?(室内限定ってところが痛いですが‥)。あとはエネループ4本でどれだけ持つのか?来週から実戦投入していきますので、運用に関してはまたFacebookなどで随時レポートしていきます。



 ここまで映像の無線伝送系機器が増えてくると、今後はさらに映像の無線化が加速すると予想されます。もうHDMI端子の抜き差しともおさらばです。長いSDIケーブルをいちいち引き回す必要もなくなります。しかしながら収録機器との接続などはケーブル接続が確実でしょう。今回のネタは室内ロケでクライアント及びディレクターにモニタリング環境を提供する場面ではうってつけです。カメラを移動するたびにケーブルの引き回しをするのは意外に骨の折れるものです。最後に断っておきますが、電源の改造は自己責任で(w よろしくお願いします。またこの機器を野外で仕様する事は法律で禁止されております。十分ご注意ください。


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【GAI News.130716】激安無線伝送のススメ その後

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