映像制作全般に関する用語集
あ
- アルファチャンネル
- アルファチャンネルとはグラフィックにおける透明部分を定義する言葉。主に合成などの作業でよく使われる。たとえば人物を撮影した時に人物の背景を、他の背景と合成する場合、背景のみをキーアウトして透明部分を生成、つまりアルファチャンネルを生成する。
- ENG(いーえぬじー)
- ENGとはElectronic News Gatheringの略ですが、映像の現場では、一般に撮影隊のことを指します。カメラ・音声・VE・照明が一体となった取材体制のことで、1チェーンと呼んだりもします。多いのはカメラマンとVE(ビデオエンジニア兼アシスタント)と音声さんの3名の構成です。テレビ局などの取材ではENGをやとって撮影取材を行います。ハンディーで高性能なカメラがニュースの番組でも普通に使用される今となっては、比較的大掛かりの取材撮影体制かもしれません。
- MA(えむえー)
- MAとは本来はマルチオーディオの略語ですが、映像制作において一般にスタジオでの「仕上げ」作業を意味することが多いです。それまで、仮の音楽やナレーションを入れた状態で試写を重ね、映像自体のOKを頂いた後、仕上げとしてCL様をスタジオに及びして、その場にてナレーターによるナレーションの収録や、最終的な映像チェックをし、完成・納品となります。従来は、音楽なども含め、全てのミックス作業をこのMAで行っていましたが、最近では編集上である程度音楽などの調整が出来るようになり、現在ほとんどはナレーション収録と映像の最終チェックに収まっています。MA作業の時間の目安は、ナレーションの分量にもよりますが、10分程度の作品でおおよそ3〜4時間のスタジオ拘束となります。
- エンコード
- エンコードとは完成した映像をDVDやWEB用に使用する際、そのための映像に変換する作業の総称です。(アキバ系では「エンコ」する、なんて言われているようです。)DVDを制作する場合は、MPEG2という形式の映像に変換するのが一般で、これは地上デジタル放送と同じ形式です。WEB公開用は、 WMVやFLV(FlashVideo)が一般となっているようです。YouTubeなどはFLV形式の映像となります。エンコードは単純に変換ですが、仕上がりの画質はエンコードの設定次第では、かなり差が出ます。少ない容量で奇麗に仕上げられるエンコード技術が求められています。
- 演出
- 演出とはとても広い意味を持ちますが、弊社では、どちらかというと現場演出を意味します。たとえば、セリフが多く、演技のきっかけなどが多い場合、事前にその場で演出家がカメラを意識した役者の動線や演技の確認をします。そうすることで、当日の撮影がとてもスムーズに進行できます。
か
- 完パケ(かんぱけ)
- 完パケとは映像制作での完成版のことです。どちらかというと業界用語ですが、映像、タイトルスーパー、音楽、ナレーション、すべてが入ったもので、そのまま放映できるものをさします。それに対して、修正のためにタイトルスーパーのみを除いた映像と音声のみのものを「白」「白完」と呼んだりします。
- 企画構成
- 映像を作るという目的はあるけれど、何をテーマにどのように作るかが決まっていない場合、1から企画案を立てて、それにともなった構成案を考えなくてはなりません。例えば、1つの商品があり、訴求したいアピールポイントがいくつかあった場合、「いつ」「だれに」「なにを」「どのように」伝えるか、しっかりした道筋を考える必要があります。あらかじめラフの企画構成案をクライアント様にご用意していただく場合もありますが、まずアピールしたい対象をよく理解した上で、依頼主へのヒヤリングや打ち合わせを重ね、もっとも効果的と思われる映像の道筋を考えるのが企画構成です。
さ
- 白・白素・白完パケ(しろ・しろそ・しろかんぱけ)
- 後でタイトルスーパーなどに修正が入った際、あらためて正しいタイトルスーパーを入れる際に使用する、元となる完成映像のことを指します。画完パケとも言います。タイトルスーパーのみを除いた映像と音声のみの映像を作っておくことで、あとでタイトルを差し替える時の元映像として使用します。ただし、最近では後でも簡単にタイトルを変更出来るノンリニア編集が支流となっていますので、白を作るニーズは無くなってきていますが、一部の報道など、テープで編集する際は、かならず必要になります。
- スーパー
- スーパーとは、映像で言う画面に出てくる文字のタイトルのことを言います。「テロップ」とも呼んだりします。写植の時代に、白黒のコントラストで、文字をキーイングしていた際の名残りで、そういった呼び方になっているらしいです。
- スクイーズ
- とある解像度の映像を引き延ばして再生すること。たとえばDVDの解像度は720x480であるが、ワイドテレビの解像度は縦横の比率が16:9の1366x768だったり、1920x1080だったりする。その解像度にぴったり合うように引き延ばして再生すること。特にDVDの16:9の場合はスクイーズのことが多い。これは元の解像度の720x480で再生すると、縦長の映像であるが、スクイーズして、854x480の解像度で見ると正像に見えるようになる。この処理をすることで、通常のワイドテレビでは上下左右に黒が入ることなくジャストサイズで再生される。これに対し、最初から上下左右が黒で仕切られている映像をレターボックス(通称レタボ)という。
た
- DSLR(ディーエスエルアール)
- Digital Single Lens Reflex cameraの略で、つまりはデジタル一眼レフのこと。業界では一般的にEOS 5D Mark2など、動画対応のデジタル一眼レフにて、動画撮影を行うことを指す。背景のボケたリッチな映像は通常のビデオカメラでは得られない映画のような効果が期待できる。
- ディレクション
- 演出と混同されがちですが、ディレクションとは、すべての進行をとりまとめる役です。打ち合わせに始まり、スケジュールの管理、役者の手配、現場での細かな指示(当日必要な小道具や大道具、資料などの収集)、映像での演出指示など。
- テロップ
- テロップとは映像に出てくる文字タイトルのことを指します。「スーパー」とも呼びます。
- 電子POP
- スーパーマーケットや医薬品店などでよく見かける宣伝のための小さいテレビモニターのこと。広告方法の一つで、SDカードなどのメディアカードに映像データ(MPEG2など)を入れて繰り返し再生する。
な
- ナレ撮り
- ナレーションを収録すること。仮のナレーションのことを「仮ナレ」と言ったりします。
は
- バミる
- 出演者の立ち位置や、カメラなどの機材の位置を後で確認できるように、テープなどで印をつけることを「バミる」と言います。「場を見る」の略のようです。特にカメラの画かく的に、最終的に出演者にこの位置で演技をしてもらいたいという場合、カメラに映らない足下などにテープでマーキング、「バミ」ります。
- PIP(ぴーあいぴー)
- PIPとは、Person in Presentationの略で、ホームページのFlashのコンテンツの中で、画面に人が登場し解説説明をする演出手法のこと。通常のホームページにいきなり人物が登場しその場でしゃべりだすので、サイトの注目度が高まる、といったもの。最近大手WEBサイトや特設サイトによく見かけられるようになりました。PIPをするには、最初に人物をクロマキー撮影をしておく必要があり、背景を透明にした状態でFLV(フラッシュビデオ)形式でFlashにくみこむことになります。
ま
- マスター制作
- 映像の納品をする上で、完成した映像を最終的に納品させていただく原盤に仕上げる制作です。完成した原盤から必要な分だけコピーしていくことになります。映像マスターの形態として、放送局納品の場合に多いのは、D2、デジタルベータカムなどのテープメディア。企業VPは圧倒的にDVDになります。マスターの制作は、テープの場合、フォーマットに仕上げ、映像にノイズなど入っていないかの最終チェック作業を含みます。DVDの場合は、映像のエンコードや簡単なオーサリングを含みますが、複雑なメニューを使ったものは、別途オーサリング料金としてご請求いただくことになります。
ら
- レタボ
- メダボではない(笑)レターボックスの略で、16:9のワイド比率の映像を4:3のテレビなどで見る際、上下が黒くしきられること。逆に4:3の映像を現行の地デジ対応の16:9ワイドテレビで見ると、左右に黒が入る。これに対し、この黒部分を無くして引き延ばして映像を映し出すことを「スクイーズ」と言う。